起業家・岩田進が語る成功するビジネスパートナー選び。企業マッチングサービス「アドフープ」が拓く未来とは


Profile
大学入学直後に休学し、バックパッカーとして世界を旅する。帰国後に飲食店経営、旅行ビジネス経営を経て、2001年、22歳で株式会社ロックオン(現:株式会社イルグルム)を創業。広告効果測定プラットフォーム「アドエビス」シリーズや、ECプラットフォーム「EC-CUBE」など、主力サービスを世に送り出してきた。アドエビスは導入実績1万件を超え、広告効果測定市場において売上シェアNo.1※となっている。
※日本マーケティングリサーチ機構調べ 調査概要:2021年6月期_指定領域における競合調査
これまで広告効果測定プラットフォーム「アドエビス」、ECオープンプラットフォーム「EC-CUBE」などの商材を柱に、データとテクノロジーによる新しい価値を創造してきたイルグルム。2020年にはマーケティング特化型マッチングプラットフォーム「アドフープ」をリリースし、多くの広告主様と広告代理店様のご縁を繋いできました。
このアドフープ、テクノロジーを土台とする点は同じながら、これまでとは異なる領域のサービスに見えます。イルグルム創業者にして代表取締役である起業家・岩田進がアドフープに託す思いとは?なぜマーケティング特化型のマッチングサービスが有用なのか。業界の背景と変化にふれながら、ビジネスにおけるパートナー選びの重要性について語ってもらいました。
アドフープ事業立ち上げの経緯は、潜在的ニーズの存在
便利なツールが溢れる世の中。それゆえ高度なプロフェッショナル人材が重要
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アドフープサービス事業を立ち上げた経緯について紹介をお願いします。
- 岩田:
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私はいち起業家として、これまで「ニーズが顕在化した時点で事業化には遅い」という考えで、芽吹く前のニーズを察知し市場に新たな価値を提供してきました。だからこそアドエビスもEC-CUBEも「そうそう、こういうのが欲しかった」と多くの人に歓迎されてきたのだと思います。
アドフープもスタートは同じ。これまでの事業でさまざまな企業様と接するうち、まだ表面に出ていないニーズをくみ取ったことで生まれました。ただ、事業としてやっていけると確信するに至った要因は一つではありません。マーケティング業界の現状と私たちの歩み、それぞれにヒントがありました。
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では、まずはマーケティング業界の現状から聞かせてください。
- 岩田:
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私がイルグルムの前身であるロックオンを設立したのが2001年。当時のSaaSやAIビジネスなんてまだまだといったところで、業界の花形といえばカスタムオーダーサービス、いわゆるWeb制作会社やシステムインテグレーターでした。
時を経て現在、SaaSや各種プラットフォームをはじめさまざまなツール類が安価に提供されていて、ニーズを持つ企業には便利な時代になったといえるでしょう。ただ、便利なツールが溢れかえるようになったことで、それを使いこなすプロフェッショナル人材へのニーズが高まっている印象を受けています。
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便利なツールが溢れかえっている。それゆえにそれらをうまく組み合わせて成果を挙げる人材が相対的に減っているということでしょうか?
- 岩田:
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そうです。特にここ数年、企業からプロフェッショナルサービスに対するニーズの再燃を肌で感じていますし、この風向きは今後さらに加速していくのではないかと見ています。
というのもWeb広告領域も広告を出稿すればどんどん売れるという時代はすでに過去のものとなり、飽和状態を迎えています。一方で、高度なテクノロジーサービスが非常に安価に手に入るようになった。そんな中で競争に打ち勝つには、コモディティ化したテクノロジーを駆使して革新的な策を打ち出すことがポイントになります。そのために必要とされるのが、プロフェッショナル人材の知見です。

マーケティング領域における「出会いの場」が少ない現状
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プロに頼るだけなら、たとえば自分で調べたり紹介を受けたりといった手段で専門家と繋がる方法もありますよね。
- 岩田:
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たしかに情報社会の今、Webで少し調べれば実績のあるプロを見つけることは簡単です。しかし、プロフェッショナルサービスとは基本的に顧客向けにカスタムメイドしていくものです。Webサイトを見ても「自社に何を提供してくれるのか」はなかなか見えてきません。
一方で、広告代理店側も新規顧客獲得は常に課題として抱えている。お互いどうやって探すのかといえば、これまでは同業種の紹介だとか、偶然に営業電話がかかってきたとか、偶発的な出会いに頼っていた部分が大きいんです。ただ、考えてみてください。そういう手段でベストなパートナーに出会えるかというと、疑問が残るでしょう。
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たしかに、実は「もっとよい相手がいるかも」と妥協した状態がまん延している可能性もありますね。
- 岩田:
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他のビジネス領域では、有名なマッチングサービスがすでに存在しているところもあって、たとえば弁護士ドットコムはよく知られていますよね。ところが、ことマーケティング業界においてはめぼしいマッチングサービスがなかったんです。
プロフェッショナルを探したい、新規顧客を探したいという両社の潜在的ニーズを満たす。そのために立ち上げたのが、マーケティング特化型マッチングプラットフォーム「アドフープ」です。
ビジネスにおける「相性の良い」パートナー探しの重要性
「今のベストな相手」を探せることが最大の魅力
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アドフープが考える『最適なビジネスパートナー像』はどういったものですか。
- 岩田:
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ずばり『自分の弱点を上手に補ってくれる相手』です。
私の経験からお話しすると、昔、飲食業や旅行コンテンツ事業を運営する中で自分の強み・弱みを自覚しました。私はグランドデザインを描くことは得意だけれど、精緻な仕組みづくりと、チームオペレーションを丁寧に回す点において弱い。弱点をフォローしないことには強みも生かせず、パフォーマンスが上がらないと痛感したんです。そこで、当時のバイト仲間にそれぞれの領域でポテンシャルの高い人材がいたので、ビジネスパートナーになってもらって会社を立ち上げ、上場まで至った経緯があります。
自分の弱みを補ってくれる相手だったからこそ、自らの仕事に安心して専念できた。これはビジネスのどんなケースでも当てはまることだと思います。
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企業におけるパートナー探しの場合でも、自社の弱みや課題を把握しておくことはがポイントになりそうですね。
- 岩田:
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今の時代、自社ですべてのケイパビリティを保有する時代ではありません。プロジェクトや課題ごとにエキスパートと組むことも多いと思いますが、抱える課題・弱みはケースバイケースで変わりますよね。
だからこそ、アドフープの『その瞬間の最適なパートナーを探せる』という利点を大いに活用していただきたいです。
課題解決のソリューションには、スキルはもちろん必須。ただ予算の制約やリソースのキャパシティ、対面希望であれば両社の距離、さらには人としての相性など、必ずしもスキルの優位性を第一条件に探すわけではない。その時々で総合的なバランスを見た上で『今、ベストなパートナー』を決められるのがアドフープの魅力です。
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たとえば、広告運用代行はA社に任せ、プロジェクト①のクリエイティブ制作はB社に、プロジェクト②のクリエイティブはC社に……といった具合でしょうか?
- 岩田:
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そうです。すでに領域やプロジェクトごとに異なるパートナーを探すリピーター様も多くいらっしゃいます。ご利用者アンケートでは業務のパフォーマンスが上がったとのお声も多く、とても嬉しく拝見しています。
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他にもご利用者満足に繋がっていると考えるポイントがあれば紹介をお願いします。
- 岩田:
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アドフープは企業様に『「温度感のある出会い」』を提供します。マッチングシステムにテクノロジーを駆使しながらも、コンシェルジュが介在するのはまさにそのため。
発注側・受注側と表現すると立場の違い、優劣のニュアンスを含みがちですが、私たちは、ご利用企業様がアドフープで出会うのは、もっと対等に近いビジネスパートナーであってほしい。目標に向かって共にひた走る相棒であってほしいと願っており、そのための仕組みづくりにこだわってきました。同じ熱量でプロジェクトに取り組める仲間が見つかる、という点もご注目いただきたいです。
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仕組みとしては、インスタントコンペという名称のコンペシステムも特徴的ですよね。
- 岩田:
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実はアドフープ立ち上げ前より、アドエビス事業のお客様から「いい広告代理店があったら紹介して欲しい」「代理店を探している広告主さんがいたら教えてほしい」といったお声がけをいただいていました。
当社ではその都度ヒアリングして、面談を設定してと、出会いのお手伝いをしていたんです。
そんな中、某企業様のご要望に応えてコンペ形式で代理店の募集をかけることがあり……。依頼主側の課題整理からはじまり、コンペ参加企業には要件定義やプランニングまでしっかりご提案いただく、という現在のアドフープに通じる原型ができました。結果として広告主様にはとても喜んでいただけ、「こういったことが求められるんだ」と実感。アドフープのリリース時にはその時の流れを洗練し、システム化したというわけです。

アドフープは進化する。「出会えない不便さ」に気付いてほしい
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アドフープを客観的に評価するとして、現在の課題は何でしょうか。
- 岩田:
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新たな市場を開拓する者ならではの悩みでもあるのですが、まだまだオンラインでプロフェッショナルとの出会い自体が認識されていないところでしょうか。
アドフープが目指すポジションは、「マーケティングでプロに頼りたくなったらアドフープ」が業界標準になること。業界を深く見てきたからこそ、潜在的ニーズのボリュームは確信しています。これまでは便利なマッチングなんて存在しないことが当たり前だったので、多くの人が不便さに気付いていないだけ。
まずはアドフープというソリューションの存在をしっかり発信し、需要を喚起することがこの事業のセンターピンであるととらえています。ちなみに、認知拡大のために私たち自身もアドフープを利用してパートナーを探してました。意欲的で相性の良いパートナーが見つかり、実際にパフォーマンスの向上に繋がりました。
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サービスとしてはどのように進化していく予定でしょうか。
- 岩田:
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アドフープは広告代理ビジネスを入り口としてスタートしましたが、マーケターの方々が求める領域は広告運用だけではありません。例えばWebサイト制作やSNS運用、今は動画制作のニーズも高まっています。そこでWebコンサルティングやSNS運用、マーケティングリサーチ、インハウス支援など対象領域を拡大しました。
今後も順次拡大し、マーケティング業界において数多くのご縁を紡ぎ出していきたいです。
マーケターの方々にも広告代理店様にもお役に立てる機会を増やしていきますので、どうぞご期待ください。

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